『レオン』を知るにはまず『ニキータ』の物語を知っていなくてはならない。ヴィクトル、『ニキータ』の掃除人。ヴィクトルが存在したのはほんの10数分程。![]() もちろん、演じたのジャン・レノです。 ヴィクトルが生まれたのは、真夏 のある日、パリの道すがら、ある建物の表玄関でのことだった。年の頃50代。冬のコートの下は、キャッチャー並みの肩幅をしていた。手には大きなズタ袋を持ち、影の中で立っていた。この男は殺し屋に違いない。或いは、殺し屋になろうとしている。ニキータがまだ生まれていなかったその時、ヴィクトルはすでに闇の掃除人として、パリの街を徘回していた。『ニキータ』の中では機械的に仕事をこなしてゆくヴィクトルだが、末路は警備員に殺されジ・エンド! ![]() あれ?死んじゃったのって感じですが、ヴィクトルの物語はここまでです。 ![]() ![]() 初めて『ニキータ』を観たとき、ジャン・レノはこの映画を大いに気に入り 、もっと撮りたいと言った。ジャン:「ヴィクトルのキャラクターは凄い。題材の宝庫だ。彼だけをテーマに長編が1本、十分に撮れるよ。僕のために、脚本を書いてくれないか?」 リュック:「時間があればね、約束するよ。君のためにヴィクトルを書いてあげる。君だけのために。脚本を渡したら、後は君で何とかしてくれ。僕は監督はやりたくないからな!!!」 とこのような会話がかわされたらしい。(もちろん仏語で・・・) そして、時は流れる。 リュック・ベッソンが『フィフス・エレメント』に着手したところだった。 とここでまたまたあれ?と思った人も多いと思います。そう『フィフス・エレメント』は1997年、『レオン』は1993年に公開。そう『レオン』は幻です、いえいえそんなことはありません(笑) 当時、『フィフス・エレメント』が技術的に実現可能かどうか、そして資金的に目処がつけられるかどうか。結局、この映画は一時見送りになることに・・・ 予期せぬ自由時間が与えられたベッソンは、ちょうどよかった。約束だ。さあ始めよう「ヴィクトルの物語を!」。すでに2日目には〈ヴィクトル〉の名前は〈レオン〉となっていた。 ![]() 決して、すべてが順調に『レオン』の物語が出来上がったわけではありません。 レオンは人を殺し、彼は自分の鉢植えのことを考えている。この岩のように非情な、冷徹な殺し屋にも心があるとしたら、一体彼に何を語らせることが出来るだろう。 リュック・ベッソンの頭の中でどういうイメージが浮かんでは消えていったのかは、もちろん私にとって想像をしてもしきれないものですが・・・ そして脚本が完成。だけど既にベッソンは恋をしてしまった、この小さな真珠(脚本)に。そして他の監督に委ねるつもりもなくなっていた。 そしてベッソンはジャンに会いに・・・ リュック:「ジャン、二つ知らせることがある。いいニュースと悪いニュースだ。いい方は、『レオン』のためにいい監督を見つけた。僕だ。悪い方は、僕が監督をするからには、この役を演じるのに最も相応しい俳優を起用するが、それが君なのかどうかわからない。他の誰にもあたっていないからだ」 ジャンはたった1分の間に、ひとつの映画を得、そして失った。でも彼の悲しみと失望は10秒以上は続かなかった。理解と敬意がそれらを上回ったのだ。ベッソンが言ったことには筋が通っており、彼にはそれを避けて通ることが出来なかったのだ。 ベッソンは、考えられる候補者のリストを作った。デ二一ロ、パチーノ、メル・ギブソン、その他数人。 そして得た結論は、やや複雑なものだった。誰もが素晴らしかった。誰もがそれぞれに違っていた。間題点は、そこに挙げた俳優たちはみな、素晴らしい作品をすでに成し得ているために、彼らを本当にやる気にさせるのが難しいことにあった……。ジャンは僕(ベッソン)にすべてを捧げるだろう。僕にはわかっている。そしてたとえ彼が望まなくても、僕は彼のすべてを手に入れる。 撮影はニューヨークで、英語で行う。彼はやる気満々だった。この役はあつらえた手袋のように、彼にビッタリだ。この日、リュック・ベッソンの頭の中で、〈レオン〉を演じる最適の俳優はジャンであり、他の誰でもなかった。 ![]() そして、クライマックスへ・・・ ベッソンが、ジャンを家に夕食に招いた。気取らず、キッチンで気楽に食べる、シンプルなディナー だった。いつものようにジャンは話し始め、冗談やはぐらかしを言った。ベッソンはジリジリしていた。秘密を明かしたくてウズウズする。人のいいジャンは何が起ころうとしているのか、まったくわかっていない。〈アルミ箔〉に包まれたデザート がオーブンから取り出される。ジャンは、ベッソンのジョークに感づき始めた。彼はそれが爆弾だとは、まだ気づいていない。夜の11時だった。彼は銀色の紙を持ち上げ、脚本を手に取った。彼は理解し、泣き出した。![]() 彼は『レオン』について、まだ何も知らなかった。彼が知っていたのは、そのいとこ的存在であるヴィクトルだけだった。大切な部分に触られて、ジャンは泣き止むことが出来なくなってしまった。ベッソンは彼にクリネックスの箱を渡し、彼は家へ帰っていった。 ![]() 午前2時、彼から電話があった。まだ泣いている。読んだのだ。「とてつもない」。これが彼のハッキリ発音出来たすべてだった。ジャンはレオンとの初夜を過ごそうとしており、ベッソンはやっとその肖像を手にすることが出来た。 この物語は『レオン』について書かれた本より、一部抜粋しております。視点はリュック・ベッソンですが、ジャン・レノは『レオン』についてこう語っています。「あの映画は私にとって、画期的なものだったということだね。この作品で、ある種の内面的変化を遂げたと言えるかな。『グランブルー』は私の人生を変えた。『おかしなおかしな訪問者』は私のキャリアを変えた。そして『レオン』は私の内面を変えたんだ。最初、レオンという男について何も知らなかったんだ。ある日、リュックの家に呼ばれると、彼がお茶を用意していて、贈り物の包みを渡してくれた。開けてみると、それは『レオン』の脚本だった。『読んでくれよ。君のために書いたんだ。』感動の一瞬だったよ。」 この話を知って、あぁ、レオンがジャン・レノで良かったな〜と思いました。デニーロは好きな役者ですが、デニーロがレオンというのは私にはもう考えられない世界です。『レオン』のきっかけもジャン・レノが作ったのだから、レオンがジャン・レノであるのはきっと必然であったような気がします。
レオン 完全版 & ニキータ DTSスペシャルパック (初回限定生産)
|
| << 前記事(2007/04/03) | トップへ | 後記事(2007/04/22)>> |
| タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
|---|---|
レオン(完全版)
レオン ( 完全版 ) ...続きを見る |
おすすめ マイベスト映画&DVD 2007/04/10 00:02 |
ニキータ
...続きを見る |
おすすめ マイベスト映画&DVD 2007/12/08 20:10 |
レオン 完全版
解説: 「ニキータ」のリュック・ベッソンが初めてアメリカで製作したバイオレンス・アクション。ニューヨークを舞台に,凄腕の殺し屋レオンと12歳の少女マチルダの純愛と戦いを描く。大都会の片隅で出会った孤独なふたりの葛藤と,壮絶なアクション・シーンがほどよくブレンドされた佳作。(allcinema ON ...続きを見る |
虎猫の気まぐれシネマ日記 2008/11/08 09:32 |
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|---|
パッチです♪ |
パッチ URL 2007/04/10 00:15 |
【パッチさんへ】 |
ケビン 2007/04/10 17:19 |
パッチです♪ |
パッチ URL 2007/12/08 20:20 |
【パッチさんへ】 |
ケビン 2007/12/15 16:49 |
ケビンさんはじめまして! |
ユウ太 URL 2008/07/23 17:34 |
【ユウ太さんへ】 |
ケビン 2008/07/26 21:58 |
こんにちは! |
なな 2008/11/08 09:38 |
【ななさんへ】 |
ケビン 2008/11/10 00:28 |
はじめまして。 |
たばこ大好き 2008/12/04 08:09 |
【たばこ大好きさんへ】 |
ケビン 2008/12/15 00:33 |
| << 前記事(2007/04/03) | トップへ | 後記事(2007/04/22)>> |