『ベンジャミン・バトン-数奇な人生-』

画像80歳で生まれ、若返っていく
数奇な人生を生きた、ある男の物語


 私は数奇な人生のもとに生まれた―。「グレート・ギャツビー」で知られるF・スコット・フィッツジェラルドが、1920年代に書いた短編小説を基にした『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』は、こうして幕を開ける。それは80歳で生まれ、年をとるごとに若返っていく男の物語。他の人々と同じように、彼にも時を止めることはできない。
ベンジャミン・バトンを演じるのは、世界中で圧倒的な人気を誇るブラッド・ピット。その輝かしいキャリアの中で、アクション、コメディ、ラブストーリー、感動作……と、すべてのジャンルの役柄を完璧に演じてきたピットが、今度は年々若返っていくという誰も演じたことのない役どころに挑んだ。ベンジャミンの生涯の恋人であるデイジーには、鍛え抜かれた演技力と磨き上げられた美貌で、常に観客を魅了するアカデミー賞女優、ケイト・ブランシェット。
 監督は、『セブン』(95)『ファイト・クラブ』(99)のデビッド・フィンチャー。今の時代を代表するのはもちろん、未来の映画界を担う監督のひとりだ。本作では、フィンチャーが得意とする前代未聞の設定を入口にしながら、登場人物一人ひとりの体験を丹念に描き、観る人すべてが「これは自分の物語だ」と感じられるストーリーを紡ぎ出した。

 2009年、一生に一度の出逢いを、贈ります。


Impressions...
 3時間近い上映時間でしたが、ひとりの人生を語るには短いくらいに感じました。全体的には盛り上がるシーンはなく、淡々と物語が流れていく感じがしました。ただ時代背景や特殊メイク、ひとつひとつのエピソードなど丁寧に描かれた作品だと思います。
 ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、そしてエル・ファニングといえば『バベル』でも共演でしたが、この配役はブラピが意識して選出したのかな?私的には全体的に配役は気に入ってますね♪ひとりひとりがマッチして、よりドラマティックな物語になっている気がします。
 フィンチャーとブラピといえば、『セブン』が浮かびますが、ハッキリ言って嫌いな映画で、他の作品をみてもさほど好みな映画はなかったのですが、この作品に関してはかなり共感が持てます。雰囲気も好きです。是非オスカーを受賞してもらいたいのですが、ここにきて形勢的には『スラムドッグ・ミリオネア』の方が受賞確率が高まっているみたいですね!
Highlight
 何といってもこの作品の目を見張るのが特殊メイク。80歳から0歳まで絶妙な具合に仕上がっています。全部で9人が演じているそうですが、そのほとんどがブラッド・ピットであるところがすごいです。小さな体系に顔だけのブラピや徐々に本来のブラピになっていく合成技術の進歩には脱帽ですね。ベンジャミン=ブラピに対して、デイジー=ケイトにも注目してしまいます。いきなり老婆姿のケイトが出てきたのでえーっとケイトだよね?そうきたか、と思いましたね。この二人の年齢が交錯していく姿が見応えがありました。
前髪を下ろすだけで若返るブラピがうらやましいぃ。
 先に述べた時代背景にも注目したい。撮影はハリケーン・カトリーナの被災地で行われたそうです。第1次大戦末期の1918年から20世紀の後半までを描いた物語なのでセットも大変。舞台の中心となる老人施設の“ノーランハウス”やエリザベス(ティルダ・スウィントン)と出会うムルマンスクのホテルなどは実に趣のある感じがいい♪衣装についても時代の流れを感じます。
 原作のフィッツ・ジェラルドの短編小説「ザ・キュリアス・ケース・オブ・ベンジャミン・バトン」は、実は以前にも映画化の話があったそうです。92年にスピルバーグがアニメ化を企画したのですが、実現しませんでした。またスパイク・ジョーンズ監督も映画化しようとしましたが、これも断念!結局『フォレスト・ガンプ/一期一会』の脚本家エリック・ロスの元に企画が持ちこまれ、今回実現したそうです。物語の外でもベンジャミンの人生と同じく数奇な運命を辿ることになったといえるのではないでしょうか・・・

Story...
-誕生-
「私はベンジャミン・バトン
変わった境遇で生まれてきた」


 1918年、ニューオーリンズ。第一次世界大戦が終わり、人々が喜びに輝き、街は活気に満ち溢れていた夜、黒人女性クイニー(タラジ・P・ヘンソン)は、置き去りにされた赤ん坊を拾う。ベンジャミン(ブラッド・ピット)と名付けられたその男の子は、すぐにクイニーが営む施設の老人たちの中に溶け込んでいった。なぜなら彼は、80歳の肉体で生まれてきたからだ。
 “母親”クイニーの惜しみない愛情に包まれて、ベンジャミンは成長していった。車椅子から立ち上がって歩き出し、しわが減り、髪が増え……そう、ベンジャミンは日に日に若返っていったのだ。
-出逢い-
「あなたみたいな人は、初めてよ」

 1930年、感謝祭。その日、ベンジャミンは、将来自分の人生を変えることになる少女と出逢う。施設の入居者のフラー夫人を訪ねてきた孫娘、6歳のデイジーだ。ふたりはすぐに心を通わせ、ベンジャミンは自分の秘密を打ち明けるが、デイジーはそのことを既に魂で感じていた。
 ある日、ベンジャミンは「働かないか」と誘われてマイク船長(ジャレッド・ハリス)の船に乗り、さまざまな“初めて”を体験する。海、労働、女性、帰り道に声をかけられた男と飲んだ酒。男の名はトーマス・バトン(ジェイソン・フレミング)、ボタン製造会社のオーナーだ。実は彼こそが、ベンジャミンを捨てた父親だった。出産直後に亡くなった妻との、息子を守るという約束を果たせず後悔の日々を送っていたトーマスだが、ベンジャミンに真実を語る勇気はなかった。
-旅立ち-
「どこへ行っても、必ずそこから葉書を出すよ」

 人生の最後を静かに送る老人たちは、ベンジャミンにさまざまなことを伝えては、この世を去っていく。中でもピアノを教えてくれた老婦人の言葉は、ベンジャミンの心に深く刻まれる。「人は皆、愛する人を失うものよ。失って初めて大切さがわかるの」
 1936年、ベンジャミンは、外の世界へ旅立つことを決意する。皆に別れを告げ、デイジーには葉書を書くと約束して、再びマイク船長と共に海へ出る。
 フロリダ、ニューファンドランド、グラスゴー、リバプール……そしてロシアで、ベンジャミンは初めての恋におちる。相手は英国のスパイの妻、エリザベス・アボット(ティルダ・スウィントン)。初めて知ったくちづけ、そして男として愛される幸せ。だが、その恋は短命だった。 1941年、太平洋戦争が始まり、エリザベスは消え、ベンジャミンの船は戦争に駆り出される。
-帰還-
「またここで逢えるなんて、まさに運命ね」

 マイク船長、そして共に戦った男たちの死を見届けるベンジャミン。 1945年、戦争は終わり、夢半ばで散った彼らの想いを胸に、ベンジャミンは家に帰る。まもなく彼は、すっかり美しく成長したデイジー(ケイト・ブランシェット)と再会する。彼女は、ニューヨークでモダン・バレエのダンサーとして活躍していた。自分の魅力を知っているデイジーはベンジャミンを誘惑するが、彼女を大切に想うベンジャミンは「君はまだ若い」となだめるのだった。
 そして、トーマスは遂に自分が父親だと、ベンジャミンに打ち明ける。不治の病で余命わずかのトーマスは、ベンジャミンの母親との幸せな思い出を語り、ボタンエ場や屋敷など全財産を譲りたいと申し出る。少なからぬショックを受けて、その場は「僕の家に帰る」と立ち去るが、父の最期の時間にそっと寄り添うベンジャミン。彼を湖の別荘へ連れて行き、子ども時代の大切な思い出だという日の出を見せてやるのだった。
-愛、そして-
「私たち、人生の中間点で、やっと互いに追いついたわ」

 父親を見送ったベンジャミンは、ニューヨークのデイジーを訪ねる。ダンサーとして絶好調で、新しい恋人や仲間に囲まれたデイジーは、ベンジャミンを冷たくあしらう。しかし、公演旅行で世界中を旅するデイジーの心の片隅には、いつもベンジャミンがいた。
 パリ公演のリハーサル中、デイジーに思わぬ災難が降りかかる。タクシーに轢かれ、二度と踊れない体になってしまったのだ。ベンジャミンはすぐに病院へ駆けつけるが、デイジーは「こんな姿を見せたくない」と、彼の優しさを拒絶する。
 1962年、出逢いの喜びと別れの悲しみ、愛と孤独を知った人生のちょうど真ん中で、遂にほぼ同じ年齢を迎えたふたりは結ばれる。まるでそう決まっていたかのように自然に、情熱的に。ダンス教室を開いてまもなくデイジーは妊娠、女の子を出産する。愛に満ちた幸せな日々の中で、ふたりは恐れ始める。やがてまた、時に引き裂かれることを。日に日に若返るベンジャミンは、こんな自分では父親になれないと悩み、ある決意をするのだが……。

 果たしてふたりは、時に打ち勝つ愛を、見つけることができるのか―?


















【CAST...】
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・Brad Pitt(ブラッド・ピット)

ベンジャミン・バトン役
生まれてすぐに捨てられ、80歳から若返るという奇妙な運命に見舞われる。

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・Cate Blanchett(ケイト・ブランシェット)

デイジー役
クイニーが営む施設の入居者フラー夫人の孫娘。6歳の時にベンジャミンと出会い、ベンジャミンにとって特別な存在となっていく。

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・Elle Fanning(エル・ファニング)

幼少期のデイジー役

画像クイニー役
老人施設“ノーラン・ハウス”を営む黒人女性。
赤ん坊のベンジャミンを拾い、育てる。
・Taraji P.Henson(タラジ・P・ヘンソン)
1970年・米・ワシントンD.C.生まれ
05年にジョン・シングルトン製作の『ハッスル&フロウ』でテレンス・ハワードと共演して注目を集め、ブラック・ムービー賞助演女優賞を獲得し、BET賞主演女優賞にノミネート。MTVムービー賞では2部門にノミネートされた。同作では歌曲賞に輝いた「It's Hard Out Here for a Pimp」で歌手デビューも果たす。
『サウスセントラルLA』『ハッスル&フロウ』『フォー・ブラザーズ/狼たちの誓い』『スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい』『Talk to Me』『Not Easily Broken』『Once Fallen』など
画像トーマス・バトン役
ベンジャミンの父親。ボタン製造会社のオーナー。
ベンジャミンをノーラン・ハウスの階段に置き去りにしたが、息子を捨てことをずっと悔やんでいた。
・Jason Flemyng(ジェイソン・フレミング)
1966年・英・ロンドン生まれ
観る者を魅了する多彩な演技と才能、スクリーン上の力強い存在感で、今日の英国を代表する俳優のひとり。マシュー・ボーンとのコラボレーションでも知られ、ボーンが製作したガイ・リッチー監督デビュー作『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』(98)に出演。フランス語に堪能なため、いくつかのフランス映画にも出演している。
『カーテン・コール』『スパイス・ザ・ムービー』『レッド・バイオリン』『ザ・グリード』『チューブ・テイルズ』『URAMI ~怨み~』『スナッチ』『フロム・ヘル』『ロック・スター』『リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い』『エイリアンVSヴァネッサ・パラディ』『レイヤー・ケーキ』『トランスポーター2』『スターダスト』など
画像エリザベス・アボット役
英国のスパイの妻。
ベンジャミンが初めて恋した女性。
・Tilda Swinton(ティルダ・スウィントン)

画像マイク船長役
チェルシー号の船長。
ベンジャミンの初めての雇い主。ベンジャミンともに世界中を巡るが、太平洋戦争で命を落とす。
・Jared Harris(ジャレッド・ハリス)
1961年・英・ロンドン生まれ
スクリーン上でも、素の時でも、強烈なカリスマ性を感じさせる。幅広い作品に出演し、最近では、M.ナイト・シャマラン監督の『レディ・イン・ザ・ウォーター』(06)、高い評価を受けたBBC製作のTVミニシリーズ「To the Ends of the Earth」(05)などに出演している。
『レイチェル・ペーパー』『パブリック・アイ』『遥かなる大地へ』『デッドマン』『スモーク』『ブルー・イン・ザ・フェイス』『I SHOT ANDY WARHOL』『SUNDAY それぞれの黄昏』『ロスト・イン・スペース』『ハピネス』『ルル・オン・ザ・ブリッジ』『舞台よりすてきな生活』『17歳の処方箋』『ダミー』『シルヴィア』『バイオハザードII アポカリプス』『オーシャンズ12』『レディ・イン・ザ・ウォーター』『ベティ・ペイジ』など
画像キャロライン役
デイジーの娘。
・Julia Ormond(ジュリア・オーモンド)
1965年・英・サリー州生まれ
学生時代に演技に目覚め、ロンドンのウェバー=ダグラス演劇アカデミーで学ぶ。卒業後、TVシリーズ「トラフィック!ザ・シリーズ」(89)で主役をつかみ、注目される。舞台とTVで経験を積み、エドワード・ズウィック監督『レジェンド・オブ・フォール/果てしなき想い』(94)でブラッド・ピットの相手役に抜擢される。エミー賞受賞作のドキュメンタリー『ボスニアの真実~地獄からの生還~(96)では製作を担当している。
『ベイビー・オブ・マコン』『愛に囚われて』『レジェンド・オブ・フォール/果てしなき想い』『サブリナ』『トゥルーナイト』『シベリアの理髪師』『デブラ・ウィンガーを探して』『戦場のレジスタンス』『インランド・エンパイア』『チェ 28歳の革命』『チェ 39歳 別れの手紙』『キット・キトリッジ アメリカン・ガール・ミステリー』など
 FilmMakers
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監督
・David Fincher(デビッド・フィンチャー)
1962年・米・コロラド州生まれ
81年に特撮工房ILMに入社、『スターウォーズ/ジェダイの復讐』や『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』にスタッフとして参加する。92年、『エイリアン3』で長編映画デビュー。続く95年、『セブン』でブラッド・ピットを起用、批評家から絶賛され、その斬新なアプローチと凝ったオープニング・シークエンスはこのジャンルのその後の作品に影響を与え続けている。
『エイリアン3』『セブン』『ゲーム』『ファイト・クラブ』『パニック・ルーム』『ゾディアック』『Torso』『Heavy Metal』など



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